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なぜマイナス報酬が主流なのか

子供
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子供の躾に限った事でもないんですが、
『約束を守れなかったらバツとして○○だよ』
っていう方法で、約束事を守らせようとしたりしますよね。

ウチの長男は自閉症&知的障害なので、こういう場面に出くわすことがしょっちゅうだったのですが。
例えば長男は、送迎の車に乗るとふざけて、運転手さんが少し席を外したスキにクラクションを鳴らす、というイタズラにハマっていた時期がありました。
作業所の方も私も、散々注意するんだけどなかなかやめてくれない。
長男の心理としては、イタズラを見つかって職員の方に怒られる(構ってもらえる)のが楽しくて仕方ないのです。
でも良くない事だから、やめさせなければならない。
そこで作業所の方が出した改善案は、
『クラクションを鳴らしたら長男の楽しみにしているイベントへの参加を不可にする』
というものでした。
これで何度かイベントへ参加できずに帰される事もありました。
けど、私はこの対応が非常に疑問だったんです。
どうして『守れなかったら罰則』なんだろう。
『守れた時にご褒美』を貰えるほうが、健常者だって嬉しいに決まってる。
ましてや障害を持つ子供ならなおさらなんじゃないだろうか?
できて当たり前、できなかったらバツを与えるっていうのがそもそも子供の気持ちを考えていないんじゃないか、と思ったのです。

やっちゃダメと言われたイタズラをする長男が悪いのはもちろんです。
でも、やらないのが当たり前、やったら罰則、というのじゃ、本人だって嬉しくないと思うんですよね~。
イタズラを我慢する張り合いがないというか・・・。
だから私は職員の方に、
「イタズラをしたらバツを与えるんじゃなくて、イタズラを我慢できたらご褒美をあげるという方法でやってみたい」
とお願いしてみました。
イタズラをせずに帰宅した日は、長男の大好きなお菓子を与える事にしたのです。
もちろんベッタベタに褒めながらw
この方法が良かったのか、その後なんとなく長男の困ったイタズラはなくなりました。

そもそも、知的障害のある長男に
「イタズラをした事」と「イベントに参加させてもらえない」事の因果関係は理解できていなかったと、私は思っています。
言葉で何度もそう言われたから、言葉面は分かっています。
「どうしてイベントに連れてってもらえないの?」
と聞かれれば
「イタズラしたから」
と答えます。
でも、その意味を理解はしていない。
だけど、このやりとりをした人は、長男はちゃんと因果関係を理解していると思ってしまう。
いや絶対理解できてません。
自閉症児は意味が理解できない言葉をオウム返ししますよね。
それと同じです。
長年長男を見てきた私は分かります。
長男は理解できていない!

でも、褒められると理解できるんですよね。
「今日はイタズラしなかったんだ!偉いねぇ。これご褒美だよ」
と好きなお菓子をあげると、
イタズラをしなかった=お菓子がもらえる
の因果関係は理解できるのですよ。
だって褒められるし、お菓子はもらえるし、嬉しいことだらけ!
そういう嬉しい記憶って定着しやすくないですか?
なので、何か教える時には、私はプラス報酬で教えるほうが効率がいいと思うんですよね。
でも世の中は圧倒的にマイナス報酬で躾をする場合が多い。

今子供の躾等で困っている人がいたら、ちょっとものは試し、って感じで、プラス報酬を試してみて欲しいなぁと、いつも思う私なのです。

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