知的障害者の寿命

子供
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自分が死んでしまった後の、重度の障害を持つ我が子の事・・・心配ですよね。
私は長男の障害が分かった時から、ずっと将来の事を心配していました。
幼児期は就学先、養護学校時代は卒業後の事。
そして今は私が死んだ後の長男の事がとても心配です。
正確に言えば、長男が小さい時から、私の死後の長男の事はずっと心配でした。
「長男より1日でいいから長生きしたい」
私は長男が小さい頃から、ずっとそう思って生きて来ました。

長男が保育園の頃、同級生で同じく障害を持った子が事故で亡くなりました。
気の毒に思う一方で、私は亡くなった子のお母さんが少し羨ましくもあったのです。
こんな事を書くと「ひどい親だ」と思う方もいるかもしれません。

私は長男の障害を知った時、もう一生出られない真っ暗なトンネルに放り込まれたような気持ちでした。
亡くなった子のお母さんは、トンネルから出られたんだな、そして、もう自分の死後の事を心配する事もないんだ、と。
羨ましい気持ちを否定する事ができませんでした。
もちろん長男に死んで欲しい訳なんて、あるはずがありません。
でも、羨ましかったんです・・・。

だから今でも、知的障害のある人の寿命は平均より短い、なんて話を見かけると、それが事実であって欲しいと思う自分がいます。
私がいなくなったら、長男はきっと寂しがるだろう。
もしかしたら悲しむかも知れない。
そんな思いはさせたくないんです。
長男の一生を、最後まで守ってから死にたいんです。

今年5月に主人の母が亡くなりました。
長男は特に悲しげな様子もなく、通夜に参列していました。
その数日後に、私は長男に言ってみたのです。
「おばあちゃん死んじゃったね。でもアンタ泣かなかったね。お母さんもアンタよりは先に死ぬけど、その時も泣かないの?」
その途端長男の顔が、見たこともないほど不安そうな様子に歪み、
「ヤダ!」
と言ったのです。
こんなはっきりした反応が返って来るとは思っていなかったので、驚きでした。
あ、私の言った事の意味が分かったんだ、とちょっとビックリしたと同時に、私が死んだらこの子はどんな思いをするだろう、と怖くなりました。
私が長男に望んでいる事は「毎日楽しく笑って暮らしてくれる事」です。
それ以外の事は望んでいません。
それなのに、私が原因で悲しませるのは嫌なのです。
他の原因での事なら、私が慰めたり、長男の楽しめる事をして気を反らしてやる事もできます。
でも、私の死が原因で長男が悲しんだら、誰も長男の慰めにならない。
長男を本当に理解しているのは、私だけだと思っているから。
主人は育児にほぼノータッチでしたし、次男とは特に仲の良い兄弟ではありません。
お互いがお互いにほとんど無関心で、まるでひとりっこが2人いるような兄弟関係なのです。
それが証拠に、長男が本音をぶつけて来るのは私に対してだけなので、私の自惚れという訳ではなく、事実だと思っています。

出口のない真っ暗なトンネルと思っていたあの頃・・・。
今も相変わらずトンネルの中だけど、随分明るいトンネルになったと感じています。
長男本人は何も変わっていない。
変わったのは、私の長男に対する意識なのでしょうね。

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