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忘れられない出来事

子供
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障害児育児で嫌な思いをした事のある人・・・多いと思います。
むしろ嫌な思いをしたことのない人なんていないんじゃないかな。
私も、未だに忘れられないイヤ~な思い出があるのです。

あれは長男が小4の頃の事。
夏でした。
当時仲良くしていたママさん母子(軽度の障害のあるお友達)と、私、長男、次男で出かけた先で、ランチのためにとある飲食店に立ち寄りました。
大好きなママさんと一緒で、テンションの上がる長男。
長男はテンションが上がった時や、リラックスしている時に独り言を言うクセがあります。
楽しくてたまらない長男は、いつもより多くの独り言をずっと喋っていました。
と言っても、大声で周りに迷惑になるほどの声ではなく、普通の会話程度のボリュームです。
それなのに。
少し離れたテーブルの、50代くらいの女性が。
奇異なものを見るような顔つきで、ずーっとこっちを見ているのです。

その視線に気づいた時、私はいたたまれない気持ちになりました。
「あの子は普通じゃない、って思ってるんだろうなぁ」
そんな事にも気付かずに、嬉しくて独り言を言い続ける長男。
あの時もう少し私に勇気があったら。
「何か御用ですか?」
と、その人に声をかけたのに。
そうしたい衝動にかられつつ、当時の私は勇気が出ませんでした。
長男の名誉を傷つけられたような、そんな悔しくて、悲しい気持ちになりました。
大声で迷惑をかけていたならこっちが悪い。
でも、そうじゃない。
人の迷惑になるほどの大声だったら、とっくに私が注意してやめさせている。
長男はあくまで、会話する程度の音量で独り言を楽しんでいるに過ぎないのです。

その女性は、私達がテーブルについている間中ばかりか、会計に席を立った時にも視線を外す事なく、ずっと長男を見ていました。
ずっと怪訝な顔つきで。
今思い出しても腸が煮えくり返る思いがします。
そして、それについて何もしてやれなかった自分が情けなくなるのです。

ただジロジロと見つめられていただけ、と言えばそうなのですが。
でも、明らかに蔑むような目付きは、未だに忘れられません。
腹立たしさを覚えつつも
「ああ、この人は幸せな人なんだろうな」
と思いました。
身近に障害者がいないからこそ、長男の事をあんな目で見たりできるのでしょうから。
その女性の息子と思しき人が、女性の向かい側に座っていました。
もしその息子(と思われる人)が、同じような障害を持っていたら、
あなたはそれでも長男の事をそんな目付きで見るんですか?
と、心の中で思っていました。

店を出てお友達ママにその事を話すと、お友達ママもその事に気付いていました。
それほどあからさまに見られていたという事です。

幸い長男は周りの人に恵まれ、その時以外はそんな目で見て来る人に会ったことはないです。
あの視線に、長男本人が気付いていなかった事がせめてもの救いでした。
もしまたあんな目付きで見られる事があったら・・・
今度こそ長男の尊厳を守るために、
「うるさくしてすみません。ご迷惑でしたか?(意訳:何か文句あんの
等の声をかける勇気を持ちたいと思います。

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